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2018年2月22日木曜日

「美人だから得をする」という偏見について

■美人は本当に得をするのか?


http://www.ted.com/talks/cameron_russell_looks_aren_t_everything_believe_me_i_m_a_model?language=ja
よく聞かれる最後の質問は 「モデルってどうなの?」です。質問者の期待する答えというのは、 「すらっとして 髪が美しかったら 幸せで 有名になれるわ」です。舞台裏でのインタビューとかを聞いて、そう思うのかもしれません。
私たちはこう答えます。「世界中を飛び回り 才能があり 情熱を持つ クリエイティブな人たちと 仕事ができるのは 素晴らしいです」。確かに嘘では ありませんが、真実の半分でしかありません。誰もカメラに向かっては絶対に言わないもの。現に私も言ったことはありませんが、私たちは不安なんです。
なぜ不安なのかと言うと、毎日、自分の外見を気にしなくてはいけないからです。「足が細くて 髪がもっと艶々してたら もっと 幸せになれるかしら?」 と思うことがあるならば モデルたちに会ってみることです。申し分のない脚や髪 そしてステキな服も着ていますが、彼女たちは おそらく世界で一番 身体的不安を抱えています。

このTEDでの講演会では、アメリカのモデルであるキャメロン・ラッセルさんの、職業による苦悩を伝えています。

モデルの世界は表向きには華やかかもしれませんが、職業的なスキルは皆無であり、いつも外見ばかりに気を使わなければならない厳しい世界だと、ラッセルさんは言及しています。

とはいえ、モデルは女性なら誰もが憧れる職業。この講演会でいくら苦悩を訴えたとしてもなかなか理解されないと思います。

ただ、「モデルになるにはどうしたらよいか」という質問に対し、「宝くじはどうしたら当てられるか」と聞いているのと同じだと答えたのは、妙に説得力がありましたね。

16歳から10年以上もモデル業界に携わっているということで、その世界の酸いも甘いも経験されたとは思いますが、その経験が自分の幸せの糧になったというと、どうやらそうでもないみたいです。

この辺りはどの職業にも共通する悩みであり、彼女は「モデルだけが特別じゃないよ」と私たちに伝えたいのだと思います。

また、講演では人種差別についても少しだけ触れています。アメリカではまだまだ見た目で人が裁かれてしまう文化が根強いみたいです。

雇用された677人のモデルの内、白人以外の人種は27人という厳しい現実の側面もあります。クライアントが必要としなければ成功できない世界でもあるので、この点に関しての改善は難しいかもしれません。

最後に、ラッセルさんは「外見上の成功や失敗の裏には、イメージの持つ力の影響がある」とコメント。幸せなことばかりでなく、作られた世界の中で生きる苦しさがあることを切実に語っていました。
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