■運営に問題がある平昌オリンピック
オリンピックが開催される際に「施設が完成していない」、「交通の整備が成されていない」などの問題が浮き上がるのはどの国も同じ。
2016年にリオデジャネイロで開催されたオリンピックも、大会が始まる前に同様のことを言われていました。現在行われている平昌オリンピックも状況は芳しくないようです。
10日のノーマルヒルは特に最悪だった。風があまりにひどいため、選手は待たされて、スタートバーを何度か行き来させられた。ジャンプ台は、氷点下10度にもなり、毛布をかけてもらっても暖はとれず「足裏の感覚がなくなってきた」という選手も。エース格の小林潤志郎は、醜いまでの追い風が覆いかぶさり2本目に進めず、けっして小言など言わない葛西紀明が、「これは中止でしょ」と漏らした。さらにはラージヒルでは葛西の背中に風が重くのしかかり2本目を飛べなかった。
…どうやら競技がまともにできるような状況ではないようです。とにかく「寒い」の一言で、施設も吹きさらしの状態のため、選手も苦悶の表情を浮かべているとのこと。
寒い場所で戦ってきた選手すら苦痛を伴いますから、観戦するファンはたまったものではありません。寒さに耐えきれずほとんど帰ってしまい、競技場は声援もなく静かにイベントが進行したそうです。
一方で、室内で行われたフィギュアスケート、スピードスケートなどは盛り上がり、会場は満員のファンで埋め尽くされたそうです。日本も羽生選手を皮切りに、小平選手も金メダルを獲得しました。(2018年2月20日現在)
金メダルを獲得したのはあくまで選手の実力ですが、やはりファンの声援があった方が、背中を後押しされるような感覚になると思います。
このように、場所によって温度差が激しくなってしまったため、一部の競技の選手は残念な大会になってしまったかもしれません。何より、現地で取材や撮影しているクルーが大変だと思います。
■平昌オリンピックでの反省点を2020年の東京オリンピックで改善する
平昌オリンピックでの問題は他にもあり、特に交通インフラの整備がまったく成されていなことが明るみとなっています。
寒い土地で置き去りにされる感覚は、不安になるどころか命の危険すら感じるはず。この辺りは、暑い時期に開催される東京オリンピックでも注意したいところです。
また、以下のような「ボッタクリ」も大問題です。
平昌エリアのホテルは予約で満杯。料金は高騰していた。それでも直前にキャンセルが続出。中には1泊9万円もする宿泊料金が半分から3分の1でバーゲンされ(それでも高いが)、それを手にしたラッキーなファンも。平昌滞在をあきらめ、ソウル市内からの通いを決めた外国人観戦者も少なくなかった。
終電が目的地までたどりつかないことなどもあり、仕方なく移動に使うタクシーは、倍付け値段が当たり前だった。現地に不案内の外国人がタクシーを求めると、一流ホテルのフロントマンが自分の友人に白タクをさせて、その上がりをせしめているなどの“裏ビジネス”も、あれこれと聞こえてきた。
こうした倍額要求で金儲けをしようとする行為は、厳しく管理すべきだと思います。オリンピックの終了後は、開催国も必然的に景気が下降路線になるため、観光大国を目指すなら日本の印象を悪くすることは絶対に避けたいところです。
今回の平昌オリンピックは、日本の選手が頑張って多くのメダルを獲得していることもあり、テレビやネットを通して見る分には盛り上がっている感じです。
しかし、スポーツを生で見たい人にとって、平昌という土地は反省点が多かった様子。この点はしっかり課題として持ち帰り、東京でのオリンピック開催時に活かしたいですね。